私が自分の髪の変化に気づき始めたのは、三十代も半ばを過ぎた頃でした。以前は特に気にしていなかったのですが、シャンプーの時の抜け毛の量が増え、朝起きると枕に付着している髪の毛も目につくようになりました。そして何より、頭頂部の分け目がなんだか薄くなってきたような気がして、鏡を見るたびにため息をついていました。最初は「疲れているのかな」「気のせいだろう」と自分に言い聞かせていたのですが、日を追うごとに不安は大きくなるばかり。ドラッグストアで育毛剤を買ってみたり、ネットで評判のシャンプーを試してみたりしましたが、目に見える効果はなかなか感じられませんでした。そんな時、ふと「自分の薄毛って、一体どの種類なんだろう?」という疑問が湧いてきたのです。薄毛にも色々な種類があることは何となく知っていましたが、具体的に自分の症状がどれに当てはまるのかは全く分かりませんでした。そこで思い切って、皮膚科の先生に相談してみることにしました。診察の結果、私の場合は「びまん性脱毛症」の傾向があるとのことでした。加齢によるホルモンバランスの変化や、日々のストレス、そして少し偏りがちだった食生活などが複合的に影響しているのではないか、というお話でした。自分の薄毛の種類と、考えられる原因を知ったことで、漠然とした不安が少し晴れたような気がしました。そして何より、これから何をすべきか、という道筋が見えてきたのです。先生からは、生活習慣の改善指導と共に、頭皮環境を整えるための具体的なアドバイスをいただきました。それからは、バランスの取れた食事を心がけ、睡眠時間をしっかり確保するように努めました。ストレスを溜めないように、趣味の時間も大切にするようになりました。もちろん、すぐに髪がフサフサに戻ったわけではありません。しかし、数ヶ月経つ頃には、抜け毛の量が以前よりも減り、髪に少しハリが出てきたように感じられるようになったのです。自分の薄毛の種類を知るということは、闇雲に不安がるのではなく、的確な対策への第一歩を踏み出すことなのだと、身をもって実感しました。
— AGA —
自分の薄毛の種類を知ってから始まったこと
2021年7月11日