知っておきたい薄毛対策

2020年9月
  • 突然の脱毛?円形脱毛症について知る

    かつら

    ある日突然、コインほどの大きさの脱毛斑が頭部に現れる。これが円形脱毛症の典型的な症状です。薄毛の種類の中でも、その発症の仕方に特徴があり、年齢や性別を問わず誰にでも起こりうる脱毛症として知られています。円形脱毛症は、かつてはストレスが主な原因と考えられていましたが、近年の研究では自己免疫疾患の一種であるという説が有力です。何らかの原因で免疫機能に異常が生じ、本来自分を守るべきリンパ球が、成長期の毛根を異物と間違えて攻撃してしまうことで毛が抜け落ちてしまうのです。ストレスは、この免疫異常を引き起こす誘因の一つになることはありますが、必ずしもストレスだけが原因で発症するわけではありません。遺伝的素因やアトピー素因なども関与している可能性が指摘されています。症状の現れ方も様々で、単発性のものから、複数箇所に脱毛斑が現れる多発性、頭部全体の毛が抜け落ちる全頭型、さらには眉毛やまつ毛、体毛など全身の毛が抜ける汎発型へと進行することもあります。多くの場合、自覚症状はほとんどなく、美容院で指摘されたり、家族に気づかれたりして初めて発症を知るケースも少なくありません。まれに、軽いかゆみや違和感を伴うこともあります。円形脱毛症の治療法としては、ステロイド外用薬や注射、局所免疫療法、紫外線療法などがあり、症状の範囲や重症度、患者さんの年齢などに応じて選択されます。軽症の場合は自然に治癒することも多いですが、症状が広範囲に及ぶ場合や再発を繰り返す場合は、専門医による適切な治療と根気強いケアが必要となります。もし、円形脱毛症のような症状に気づいたら、まずは皮膚科を受診し、正確な診断を受けることが大切です。自己判断で放置したり、効果の不確かな民間療法に頼ったりせず、医師のアドバイスのもとで適切な対処を行うようにしましょう。