薄毛の原因は遺伝やホルモンバランスだけではありません。日々の生活習慣が大きく関わっている薄毛の種類も存在します。例えば、「脂漏性脱毛症」は、皮脂の過剰な分泌が主な原因です。頭皮の皮脂バランスが崩れると、マラセチア菌などの常在菌が異常繁殖し、炎症やかゆみ、フケなどを引き起こします。この炎症が毛根にダメージを与え、抜け毛や薄毛に繋がるのです。脂質の多い食事の偏りや、洗髪不足、あるいは洗いすぎによる頭皮の乾燥、ストレスによるホルモンバランスの乱れなどが、皮脂の過剰分泌を招く要因となります。予防策としては、バランスの取れた食事を心がけ、動物性脂肪の摂取を控えめにすることが挙げられます。また、自分に合ったシャンプーを選び、正しい方法で洗髪し、頭皮を清潔に保つことが重要です。しかし、洗いすぎは禁物で、必要な皮脂まで奪ってしまうと逆効果になることもあります。次に、「牽引性脱毛症」です。これは、ポニーテールやアップスタイル、エクステンションなど、髪を強く引っ張る髪型を長期間続けることで、毛根に持続的な負担がかかり、生え際や分け目を中心に髪が薄くなる状態を指します。特に、毎日同じ箇所で髪をきつく結んでいる方は注意が必要です。予防策としては、髪型を頻繁に変えたり、髪を強く引っ張らない緩めのスタイルを心がけたりすることが大切です。また、就寝時は髪を解いて頭皮を休ませることも効果的です。さらに、過度なダイエットによる栄養不足も薄毛の原因となり得ます。髪の毛はタンパク質を主成分としており、ビタミンやミネラルも健康な髪の成長には不可欠です。極端な食事制限は、これらの栄養素の不足を招き、髪が細くなったり、抜け毛が増えたりする「栄養障害性の脱毛」を引き起こす可能性があります。バランスの取れた食事を三食きちんと摂ることが、健康な髪を育む基本です。これらのように、生活習慣に起因する薄毛は、その原因となる習慣を見直し、改善することで予防や症状の軽減が期待できます。日々の生活を振り返り、心当たりのある方は少しずつでも改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
— 円形脱毛症 —
生活習慣が招く薄毛の種類と予防策
2021年3月29日