今回は、キャリア20年のベテラン美容師、MASAさんにお話を伺います。MASAさん、お客様から「白髪染めではげますか?」と聞かれることはありますか?MASAさん「ええ、もう本当によく聞かれます(笑)。その度に私は、『やり方次第です。だからこそ、私たちプロがいるんですよ』とお答えしています」。市販のカラー剤とサロンのカラー剤、一番の違いは何でしょうか?MASAさん「大きく違うのは『薬剤のパワーコントロール』です。市販品は、どんな髪質の人でも一応染まるように、薬剤のパワーが強めに設定されていることがほとんどです。一方、サロンでは、お客様一人ひとりの髪質やダメージレベル、白髪の量を見極めて、数種類の薬剤をミリグラム単位で調合し、必要最小限のパワーで染めていきます。特に、すでに染まっている毛先には、ダメージの少ない低アルカリの薬剤を使うなど、塗り分けを行うのが基本です。このオーダーメイドの薬剤選定が、ダメージを最小限に抑えるための最初の大きな違いですね」。技術的な面では、どのような工夫があるのでしょうか?MASAさん「私たちが最も気を使っているのが、『頭皮に薬剤をつけない』ということです。特に、地肌が敏感な方には『ゼロテク』という技術を用います。これは、コームを使って、頭皮から0mm、つまり髪の根元ギリギリから薬剤を塗布するテクニックです。頭皮に薬剤が直接触れないので、刺激やアレルギーのリスクを大幅に減らすことができます。また、染める前には必ず頭皮用の保護オイルやスプレーで、地肌を薬剤からガードします。こうした地道な作業の積み重ねが、お客様の5年後、10年後の髪を守ることに繋がると信じています」。セルフカラー派の方に、何かアドバイスはありますか?MASAさん「もし可能なら、せめて3回に1回でも美容室でメンテナンスをすることをお勧めします。プロの目で頭皮の状態をチェックしてもらい、髪のダメージをリセットするだけでも、長い目で見れば大きな違いが生まれますよ」。
美容師が激白!サロンカラーがはげにくい理由