白髪が気になり始めると、多くの人が「月に一度」を美容室へ行く、あるいはセルフカラーをする目安にしがちです。しかし、「はげたくない」と本気で考えるなら、その常識を一度疑ってみる必要があります。結論から言うと、健康な頭皮と髪を維持するためには、アルカリカラーによる白髪染めの頻度は、できるだけ空けるべきであり、理想は「1.5ヶ月から2ヶ月に一度」です。なぜなら、白髪染めによってダメージを受けた頭皮のバリア機能が、完全に回復するには、少なくとも数週間から1ヶ月程度の時間が必要だと考えられているからです。回復しきらないうちに、次の薬剤による刺激を与えてしまうと、ダメージがどんどん蓄積され、頭皮は常に炎症を起こしやすい、砂漠のような状態になってしまいます。これでは、薄毛のリスクを高めてくださいと言っているようなものです。とはいえ、2ヶ月も経てば根元の白髪は数センチも伸び、我慢できないという方も多いでしょう。そこで重要になるのが、「頻度を減らすための賢い工夫」です。まず、美容室で相談したいのが「白髪をぼかすデザインカラー」です。白髪の生えている部分に、細かくハイライト(明るい筋)を入れることで、新しく生えてきた白髪が目立ちにくくなります。黒髪と白髪のコントラストを和らげることで、リタッチまでの期間をぐっと延ばすことができます。また、次の美容室までの「つなぎ」として、セルフケアアイテムを上手に活用するのも一つの手です。気になる生え際や分け目だけを、一時的にカバーできる「ヘアマスカラ」や「ヘアファンデーション」といった部分染め用のアイテムは、シャンプーで簡単に落とせるため、頭皮への負担も最小限です。ただ我慢するのではなく、プロの技術と便利なアイテムを賢く利用して、頭皮を休ませる期間を意識的に作ること。それが、10年後も美しい髪を保つための秘訣です。
白髪染めの頻度、毎月は危険信号?